個人事業主のファクタリングと個人向け給料ファクタリングの違いとは

個人事業主のファクタリングと個人向け給料ファクタリングの違いとは

何かと話題の『ファクタリング』。

欧米では古くから活用された事業資金調達方法の1つで、日本でも10年程前からようやくシェアを拡大してきました。ファクタリングは経済産業省・中小企業庁からも推進されている事業資金調達方法の一種です。

しかし近年は事業資金調達としてではなく、個人向けの『給料ファクタリング』が目立つようになっています。

個人向けには『個人事業主ファクタリング』と『給料ファクタリング』があります。この違いに注目して分かりやすく解説していきます。

 

まずは金融庁HPの【ファクタリングに関する注意喚起】もチェックしておきましょう。

金融庁HP ファクタリングに関する注意喚起より引用

個人事業主・フリーランス向けのファクタリング

個人事業主や事業性があるフリーランスでは、ビジネスローン以外の事業資金調達方法として『ファクタリング』が利用できます。

ファクタリングは”借りない資金調達”とも呼ばれるスピード資金繰り方法です。

個人事業主ファクタリングとは

ファクタリングは簡潔に言うと、取引先への請求書の早期現金化です。

個人事業主が発注を受けた商品の納品、サービスの提供後にはその報酬を取引先へ請求します。その確定した請求額が取引先から支払われるのは1カ月程先となる場合が多いです。業種によっては2週間や2か月後というところもあるでしょう。

資金繰りに困ったとき、「その取引先からの入金が今すぐあれば…」と考えたことがある個人事業主やフリーランスの方も多いのではないでしょうか。

それを可能にするのがファクタリングという金融サービスです。

個人事業主とファクタリング会社がファクタリング契約を結び、請求書(売掛債権)を早期現金化します。

❶取引先への請求が確定

取引先へのサービスの提供が完了したら請求書を発行します。請求額と入金日が確定した売掛債権(請求書)が発生したら、ファクタリング申込みの準備を始めましょう。

未確定の請求書やすでに入金日が過ぎている請求書は買取してもらうことはできません。

 

❷ファクタリング会社へ相談・審査・契約

契約内容としては売掛債権の売買契約となり、回収リスクごとファクタリング会社に移転します。これは、万が一取引先が突然倒産したり請求額を支払わず個人事業主への入金がなかった場合でもファクタリング会社に早期現金化してもらった資金を返還する必要がないことを意味します。(償還請求権なし・ノンリコース)

償還請求権なし・ノンリコース契約ではない場合は、ファクタリングではなく高利貸しに該当する可能性があります。契約前に契約内容をしっかり確認して、そういったファクタリング会社とは契約しないようにしましょう。

❸ファクタリング会社から買取額の入金

請求書額面のうちの一部または全額に近い額を早期現金化することが可能になります。早期現金化できる金額は、個人事業主の希望やファクタリング会社の審査によって決まります。満額をファクタリングできない理由としては、早期現金化するためにはファクタリング手数料が必要になるからです。

例えば110万円の請求書があるとしたとき、早期現金化する額102万円+ファクタリング手数料8万円が枠いっぱいを利用したファクタリングということになります。手数料は審査結果などによって変動します。

枠全てをファクタリングする必要はありません。個人事業主が調達したい金額だけをファクタリングで早期現金化することももちろん可能です。必要な金額だけを早期現金化することで手数料を節約することができます。

個人事業主ファクタリングでの早期現金化の例

 

❹期日に取引先から請求額面の支払い

期日になると取引先から報酬の支払いが個人事業主へあります。すでにファクタリング会社へ売却した売掛債権ですが、本来の入金の流れ通りに一旦個人事業主へ入金してもらうことで、取引先へファクタリングしたことを知られずに済みます。取引先へ通知しないこの方法を2社間ファクタリングと呼びます。

取引先の承諾を得られる場合は3社間ファクタリング契約をして、取引先から直接ファクタリング会社へ請求額を支払ってもらうこともできます。そうすることでファクタリング会社が抱える回収リスクが下がり、それは個人事業主は支払うファクタリング手数料も下がることに繋がります

取引先に知られずに早期現金化ができる2社間ファクタリングを選択する個人事業主が圧倒的に多いというのが現状です。

❺ファクタリング会社へ買取額+ファクタリング手数料を決済

取引先からの入金を確認したら速やかにファクタリング会社へ『買取額+ファクタリング手数料』を支払います。

ここで別の支払いなどに使用してしまうと、すでにファクタリング会社へ売却した資金を私的流用したとして横領罪などに問われる可能性がありますので注意しましょう。

決済完了後、必要であればファクタリング会社と再契約して、また入金予定のある請求書を早期現金化して事業資金調達することもできます。初回契約よりもさらに簡単でスピーディな資金調達が可能になるでしょう。

 

個人事業主ファクタリングを利用するための条件とは

個人事業主がファクタリングで資金調達をするためにはいくつかの条件があります。

①法人企業との取引と請求書(売掛債権)があること

②調達希望額以上の請求書があること

くらいでしょうか。条件としては非常に少ないと思います。ビジネスローンと比較しても個人事業主ファクタリングは申請のハードルが低く利用しやすい金融サービスと言えます。

ビジネスローンでは個人事業主自身の借入状況や信用情報がとても重要で、状況によっては申込みしても審査に通らないことが分かりきっているという場合もあるかもしれません。しかしファクタリングでの資金調達はお金を借りるわけではないので個人事業主の信用情報はあまり重要視されません。

個人事業主ファクタリングの条件①法人企業との取引と請求書があること

個人事業主ファクタリングでは、受注した仕事を完了して取引先へ請求済みの売掛債権(請求書)が必要となります。その請求額内で資金調達を成功させます。売掛債権とは表現しない場合でもファクタリングは可能なケースが多いので、業種による制限はほぼありません。

診療報酬や介護給付費、決済代行会社から入金される売上(クレジット・電子決済)などもファクタリング可能で、そのときの”取引先”は国保連や決済代行会社となります。

ファクタリングは”借りない資金調達”なので個人事業主の信用情報よりも、”売掛債権(請求書)の質”が重要視される傾向にあります。売掛債権(請求書)の質とは、期日に請求額を支払う取引先の信用力のことを主に差しています。個人事業主の財務状況や資金繰りが悪化していても、良い取引先や安定した取引を持っているほどファクタリングは利用しやすいのです。

個人事業主→個人事業主、個人事業主→顧客での取引の場合、ファクタリング会社は取引先(個人)の信用力審査が困難なため買取ができません。

よって、個人事業主ファクタリングを利用するめには、法人企業との取引によって発生した売掛債権(請求書)が必要となります。

個人事業主ファクタリングは法人への請求書が必要

個人事業主ファクタリングの条件②調達希望額以上の請求書があること

前述したように個人事業主ファクタリングで資金調達をしたいときには、法人企業との取引と売掛債権(請求書)が必要です。

もしも個人事業主が100万円の資金繰りが必要なとき、ファクタリングでは100万円+ファクタリング手数料以上の売掛債権額(請求額)を保有していなければなりません。対個人事業主への請求額はそれ以上あるが法人企業への請求額は50万円しかないと場合には、希望額の100万円をファクタリングで調達することはできないのです。法人企業への請求額50万円×3社=150万円の請求書があれば100万円の調達は可能になるでしょう。(審査結果による)

50万円の売掛債権(請求書)では50万円以下の資金調達しかできないということになります。

よって、個人事業主ファクタリングを利用して希望額の資金調達を成功させるためにはそれ以上の売掛債権額(請求額)が必要となります。「希望額には足りないが保有する請求書額でファクタリングしたい」という場合には特に問題になりません。

個人事業主ファクタリングでは請求書額面以上の資金調達はできない

 

個人事業主ファクタリングを利用する方法とは

法人との取引があり、確定した売掛債権(請求書)があれば①ファクタリング会社に相談申込みをします。申込み後には簡単な電話でのヒヤリングがあるケースが多いです。ヒヤリングでは事業内容や借入状況、売上などを質問されます。

個人事業主ファクタリング資金調達までの一般的な流れ①②

申込みの前後で、②『申込みに必要な書類』もしくは『審査に必要な書類』を提出することになります。審査に必要な書類はファクタリング会社によってことなりますが、

個人事業主の写真付身分証(免許証等)
取引先との成因書類(発注・納品・請求書等)
通帳コピー(取引先からの入金確認ができるもの)

などが挙げられます。

「必要書類が少ない」と感じる個人事業主が多いのではないでしょうか。そしてすぐに用意して送付できるものばかりです。

送付の仕方もファクタリング会社によって異なります。メールにデータを添付して送信/FAXで送信/システム上にアップロードなどの方法を用いられるところが多いです。これらも手間や時間がかからないので個人事業主の負担は大きくありません。

必要書類が少ないのでファクタリング会社の審査もかなり早くに完了します。最短30分程で審査結果を伝えてくれるファクタリング会社もあります。ファクタリング会社が提示する必要書類がすべて揃ってからの審査スタートになる点は注意しておきましょう。

個人事業主ファクタリング資金調達までの一般的な流れ③

③審査後、問題なければ『契約内容の提案』を受けます

例えば「来月末入金予定である110万円の売掛債権(請求書)のうち、53万円を50万円で買取します。」という契約内容では、最短即日で50万円を早期現金化したのち、来月末に取引先からの支払いがあったら50万円+ファクタリング手数料3万円=53万円をファクタリング会社へ決済するという流れになります。

契約内容の提案を受けたとき「ファクタリング手数料以外の費用を別途請求されることはあるか」を確認しておきましょう。

 

ファクタリング会社からの契約内容に納得できればそのまま契約方法の確認へと進みます。納得できなければキャンセルしましょう。ここまでで審査費用などがかかるファクタリング会社はほとんどなく、買取見積もりも無料なのでキャンセルして問題はありません。

個人事業主ファクタリング資金調達までの一般的な流れ④

契約内容に十分に納得ができれば④ファクタリング契約の締結となります。ファクタリング会社によって契約に必要な書類の提出を求められます。

住民票
確定申告書

※対面契約の場合、身分証明書や成因書類、通帳の原本の提示を求められることが多いです。
※法人企業の場合は法人印鑑証明や債権譲渡登記事項概要ファイルなどの提出が必要です。

契約方法もまたファクタリング会社によって差があります。対面/郵送/電子契約などの方法があります。

最近は利用者の利便性を追求し、非対面で契約できる電子契約での締結が主流となっています。電子契約と言っても、個人事業主がシステムに登録したりする必要はなく、ファクタリング会社から送られてくる契約書データにWEB上でサインするだけでとても簡単です。PCだけでなくスマホでも作業ができます。

脱ハンコ化の加速が予想されている今、資金調達までに費用や時間を削減できる電子契約対応可能なファクタリング会社の利用がおすすめです。

 

TOP3は電子契約導入済み!
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個人向けの給料ファクタリングとは違うので注意

ここまで個人事業主やフリーランス向けのファクタリングについて説明してきましたが、同じく”個人向けのファクタリング”に『給料ファクタリング』があります。

令和2年3月、給料ファクタリングはファクタリングで定義されている債権譲渡によるものではなく貸金にあたるという金融庁の見解が示されました。給料ファクタリング業者が利用者に対して、期日になっても決済をしなかったことから訴訟を起こした裁判で、「給料ファクタリングは貸金業にあたり、法定利息を大幅に超えた高額な手数料は出資法違反にあたる」として給料ファクタリング業者側の請求が棄却されました。これにより給料ファクタリングは貸金業にあたるという見解が業界で周知され、給料ファクタリング業者は廃業しています。

給料ファクタリングが貸金にあたる、とされたことで給料ファクタリング業者が廃業する理由としては、貸金をするには貸金業登録が必須だからです。給料ファクタリング業者で有名な七福神もHPを削除し回収のみに徹しているところで、集団訴訟を起こされているとのことです。

すでに給料ファクタリング業者のほとんどが撤退しているため、間違って申込みをしてしまうということはないかと思いますが、給料ファクタリングは利用しないでください。