スピード資金調達ができるファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」という2種類の契約方法があります。
そして、この記事では「3社間ファクタリング」を紹介します。
3社間ファクタリングについて
3社間ファクタリングとは「ファクタリングを利用する法人・個人事業主」と「取引先企業」と「ファクタリング会社」の3社で取引をするため3社間ファクタリングと呼ばれています。
3社間ファクタリングは取引先企業の許可を得なければ利用できません。
なぜなら売掛債権をファクタリング会社に直接、入金してもらう必要があるからです。
入金までの流れは、まず契約が締結するとファクタリング会社から申し込まれた法人・個人事業主に売却した売掛債権が振り込まれます。
その後、取引先企業は入金期日に本来は申し込まれた法人・個人事業主に支払うはずの売掛債権をファクタリング会社に決済します。
申し込まれた法人・個人事業主は売掛債権を売却した後は何もすることはありません。
2社間ファクタリングとの違い
ファクタリングの契約には「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2つがあると言いましたが違いを紹介します。
手数料
3社間ファクタリングは取引先企業から直接、入金してもらうので2社間ファクタリングよりリスクが小さいことから手数料は安くなります。
一般的に2社間ファクタリングの手数料は1~30%、3社間ファクタリングの手数料は1~20%です。
100万円の売掛債権を売却した場合、2社間ファクタリングの手数料は1万円~30万円、3社間ファクタリングの手数料は1万円~20万円かかることになります。
2社間ファクタリング |
・売掛金:500万円 ・希望額:100万円 ・手数料:15% 契約締結後、ファクタリング会社から100万円が振り込まれる。 入金期日に取引先企業から申し込まれた法人・個人事業主に売掛金500万円が入金される。 その後、ファクタリング会社に115万円を決済する。 |
資金調達額:100万円/手数料:15万円 |
3社間ファクタリング |
・売掛金:500万円 ・希望額:100万円 ・手数料:5% 契約締結後、ファクタリング会社から100万円が振り込まれる。 入金期日に取引先企業がファクタリング会社に5万円を決済する。 |
資金調達額:100万円/手数料:5万円 |
契約者と契約書
2社間ファクタリングは申し込まれた法人・個人事業主とファクタリング会社の2社で契約書を交わします。
3社間ファクタリングは取引先企業を含む3社での契約になるので取引先企業の同意・承諾が必要です。
資金調達までの時間
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでは『資金調達にかかる時間』に大きな差が出ます。
2社間ファクタリングでは申し込まれた法人・個人事業主とファクタリング会社での契約になるためスムーズに進めば即日の資金化も可能です。
反対に3社間ファクタリングでは取引先企業の承諾を得る必要があるため即日の資金化は難しいです。
ただ、遅くとも3日以内には資金化できます。
デポジットを取るファクタリング会社がある
一部のファクタリング会社ではデポジット(留保金)を取る場合があります。
その理由は買い取った金額と取引先企業からの入金に差が生じるかもしれないので、あらかじめデポジットをとっておいて後で返金するためです。
売掛金500万円の内、100万円を売却する場合
手数料5%/デポジット10%で3社間ファクタリングを利用すると下図のように結局期日よりも早く資金調達ができるのは85万ということになってしまいます。
上記はほんの一例でありファクタリング会社によって異なります。
デポジットを取るファクタリング会社はあまり存在しませんが契約する際にはしっかり確認しましょう。
【まとめ】3社間ファクタリング
手形が発行されなくなっている昨今では売掛金を活用した資金調達方法は今後、中小企業・零細企業・個人事業主にとって重要な役割を担ってくるはずです。
ファクタリングは売却による売掛金の早期資金化ですが売掛金を担保として融資を受けるABL(売掛金担保融資)という方法もあります。
また保有している売掛金・売掛債権の利用促進は国の施策です。
積極的に活用して銀行融資に頼らない資金調達ができるよう更に充実したファクタリングに発展していくことが期待できます。
実際に年々、ファクタリング会社は増加傾向にあるので、それだけ需要が増えているということでしょう。
今は2社間ファクタリングが主流ですが今後は3社間ファクタリングが一般的になるかもしれません。